旅行記vol.1 〜カンボジア

今朝、学生最後の海外旅行であるカンボジアベトナム旅行から無事帰国した。



海外3回目とまだまだ未熟ながら、慣れてきたのか萎縮することもほとんどなく、旅の楽しみ方というものが分かってきた。
今回の旅の目的は、初であったヨーロッパを「建築」、先月の韓国を「食」とするならば、さしずめ「自然」といったところか。
もちろん食や人々や遺跡などにも大きな感銘を受けたが、とりわけ雄大な大地には一際心を震わせるものを感じた。



僕の見たカンボジアの大地には起伏といえるものがほとんど見当たらず、緑色の木々がどこまでも平坦に広がっている。
こんなに延々と平原の広がる風景ってのは今まで見たことがない。
しかしこの国の歴史は決して平らとは言えず、内戦や虐殺という暗い歴史が、今もなお存在する地雷などからも垣間見える。
気温は30度を超える暑さで、道路の舗装も進んでいない街中では、乾季ということも重なってかバイクや車の巻き上げる砂埃がすさまじく、それが余計に暑さを感じさせる。
あまりにすさまじく、遠方は赤茶けた砂埃でかすんで見えない程である。
自転車やトゥクトゥク、徒歩で街を散策してみると、砂の道路を引っ切り無しに車両が横行し、道を挟んで色々な店が並んでいる。
店の前では、商売をしているのかどうか判断ができないほど、人々がのんびり過ごしており、せわしない日本に比べて時の流れがゆっくり動いているようにも感じた。



カンボジアでは日本語を話せる現地ガイドに連れられて、かの有名なアンコール遺跡群を見て回った。
アンコール遺跡とは、12世紀辺りにクメール族の国家アンコール朝が残したアジア最大の仏教遺跡群であり、ユネスコ世界遺産にも登録されているご存知の観光スポットである。
周囲には濃い緑の森がどこまでも広がっており、観光客や補修された部分を除けば、昔と変わらない自然からどこかかつての王朝の気配が漂っているように思える。
この世界遺産の傑作たる所以は、その建築内容の素晴らしさもさることながら、それを囲む豊かな環境との一体感にあるのだろう。



中でも最も有名なアンコールワットは噂どおり素晴らしい建築物であり、その大きさは想像以上であった。
上の写真は、内側から外を眺めた様子。
外周の回廊など、随所に施された神話や伝説の美しい彫刻は、もはや美術館のよう。
時間が許すならば、一日中アンコールワットの中で、絵を描いたり本を読みながらのんびりと堪能したいものである。


他にもアンコールトム、バイヨン、タ・プロームなどの有名所を2日かけて回ったが、個人的には仏教の寺院跡であるバイヨンに最も強く惹かれるものがあった。
アーチ型の回廊と数多くの人面像が彫られた塔で形成されており、「天空の城ラピュタ」を彷彿とさせる不思議な感覚を醸し出していて、どことなく異次元の空間に彷徨いこんだ錯覚に陥る。
崩壊しているところも多く、行った時も修復している部分があったが、ガイドさんの話によるとどうやら日本も協力しているらしい。
どこかで構造物の基礎からいがんでいるところも見えたので、地盤の砂の流動による変位も一つの要因なのだろう。



郊外には高床式の古い家が集まる集落が所々存在し、それをバスの中から眺めるだけでも、以前からカンボジアのイメージとして抱いていた「貧困」というものを実感した。
幸いにも旅行プログラムの中に、現地学生との食事会というものが取り込まれており、直接その生活ぶりを伺うことができた。
彼らはとても実直で、貧しい中でも意欲というものがすさまじい。
教育環境が整っていないという不遇な中においても、家族のため、生きていくために死に物狂いで勉強をしている。
彼らには我々日本人がどう映ってるのだろうか。
惰性で勉強している事実(部分的に)も否めない所がある我々が、彼らから学ぶべきものもたくさんあると強く思った。



カンボジア


いい国である。

  

・・・続く